青い柳に 蛙 と 道風

babatrain

2017年02月24日 14:03

江戸時代  浄瑠璃 「小野道風青柳硯」
           おののとうふうあおやぎすずり

道風  「おれは ダメだ 何度書いても 書の才能がない
     もう書をやめようか  あああ  ため息」
蛙   「ぴょん ぴょん  もう何回跳ねたかなあ
     あの柳の先っぽに飛びつきたいな
     その向こうにさあ  おいしそうな虫がいるんだよ」

道風  「はは 何を無理なことを
     お前の力では 何度 跳んでも 無理だ 諦めな」
蛙   「エイッ やあっ  何を言われても
     ぼくは諦めないよ」


       その時  一陣の風
       柳の枝  しなる  揺れる
       果たして…


蛙   「ここがチャーーンス  ヨイショ  
     飛びつきたい! えいっ  ふう  跳びつけた  うれしいな
     あきらめないで よかった」


     

                自作の切り絵です

                 じっと物思いに耽りながら 蛙を見つめる小野道風

道風  「おれは バカだった
      あんなに 努力している蛙を見下していたもんな
      蛙に教えられたな  
      尽くせば必ず 報われるとな」

という お話し

小野道風(おののとうふう)
今では 藤原佐理 藤原行成 とならんで三跡の内の一人
王羲之の再来 書道の神様とも称される

間違えやすいが
三筆ならば 嵯峨天皇、空海、橘逸勢が並ぶ

ところで 花札
    


柳が黒いですね
これでは 絵になりません

やはり 青柳でないと
川も澄み切った青色でないと
せっかくの 浄瑠璃も 色あせてしまいます